I N D E X  Vol.58

■地球の財産“生物”の大量絶滅を
  食い止めるために

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景気上昇のあとは

 景気は着実に改善を続けています。国内総生産指数の上方修正・内閣府の強気な月例報告・日銀の楽観的短観・設備投資2桁増・雇用の改善など、景況が立ち直ってきたことを実証する変化が見えてきました。となると、次の重要な経済政策上の課題は、金融の正常化です。設備投資資金の借入も減少し超低金利資金の活用もなくなれば金融政策の修正局面にきたのではないでしょうか。とは言っても、速水前日銀総裁のように金融政策の転換で景況改善の芽を摘んでしまうのではないかとの反論もあります。勿論、金融の量的緩和の解消と金利水準の引上げを急速に進めるのなら、その恐れもあります。しかし、情勢を慎重に観察しながらの斬新的な推進ということなら、その心配は少なくなると思います。
 今回の景気回復は、公共投資を削減しながら民間企業の自力によってなされた結果で、リストラが先行したとはいえ持続性が期待できます。その根拠の一つは、景気回復への基盤条件がよい方向で進んでいると判断できることです。経済の内部要因がよくなっていることは、経済諸指標を見れば分かります。原油価格のような突発的な悪材料がこれ以上でてくれば別ですが、日本の基盤条件は簡単に崩れるものでは有りません。大企業の第一四半期の決算発表もV字型回復が多く、経済の長期低迷に対応して多くの企業が体制を整備し直し、新たな収益条件を模索していることに、注目すべきです。
 次に、金利の上昇が必ずしも景気にマイナスにはならないということです。バブル経済が崩壊して以降、異例の超低金利の継続で、預金者としての一般個人や、年金生活者は利子所得の大幅減という痛手を受けています。利率幅が低くても徐々に引き上げて、金利政策を改めていくことが、個人消費の刺激にも役立ちます。日本の個人消費はGDPの60%弱を占めています。雇用と賃金情勢が好転し個人の利子所得の修復が重なり、株式市況も今は調整期に入っていますが、近い将来ダウ1万3千円挑戦も加わって個人消費が堅調に動けば景気に好影響を及ぼすことが期待されます。
 その中での米国の連邦準備制度理事会が景気過熱感を抑制する為、政策金利の引き上げを(6月30日)決定し、景気楽観論のFRBのグリンスパン議長は(8月10日)再度0.25%引上げ、先行きの経済の底堅さを確認致しました。経済の強さによって、米国金利の引上げが、日本の超低金利に影響し、金利引上げの応援材料を提供するものと思います。しかし、金融政策については財政当局からの干渉があると思います。国の抱える債務はこの3月末で700兆円規模、しかも増勢は尚続いています。財政当局は債務に伴う金利負担増をきらって利上げ政策に反対するからです。反対と言うことになれば、円・ドル相場の流れにおいて、日米の金利差拡大が為替の不安定につながる危険があります。
 低金利からの脱皮と日米為替の安定が、今後の日本経済の健全化に必要だと思われます。

平成16・8・16 記
宝山一石
 




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