2006年1月発行 Vol.66

 


タック化成株式会社

粘着荷札からICタグまで。 多種多様な粘着技術で最先端に挑戦する粘着業界のリーディングカンパニー

タック化成株式会社 山本工場

 

ありのままの自然が豊かに残る香川県三豊郡山本町。緑に包まれるようにタック化成株式会社の山本工場があります。

外から見ると山並に融合するような静かな佇まいですが、一歩工場内に足を入れると、ロボットが活躍する近未来の製造空間が広がっていると言います。日本中の視線を四国に集めるタック化成の粘着技術とは?

真新しい工場をお訪ねし、お話を伺いました。

 

 

タック化成株式会社 機能製品事業部
取締役本部長 川崎 宏樹氏

●タック化成様といえば、総合粘着メーカーとお聞きしています。具体的な事業内容を教えてください。

川崎:一言で言うと粘着製品、業界でタック紙と呼ばれるものが、社名にも由来する我々のベースです。会社のスタートは昭和42年に遡ります。今、みなさんが宅配便などを利用する時、配送伝票、いわゆる宛名シールを貼って送るのが当たり前になっていますが、当時の荷物の輸送は、まだ針金のついた荷札をくくりつけて送っていました。しかし、輸送の途中で取れてしまうことも多かったので、そうした事故のないように、また、もっと作業を簡単にできないかという発想から、糊をつけてぺたっと荷物に貼付ける粘着荷札というものを開発しました。この粘着荷札を原点に、いろいろなものに糊をつけて貼付けられるようにすることで、人々の暮らしや社会のさまざまな分野に役立つ製品を提供しようと、幅広いニーズを開発してきました。現在は原紙事業部、加工品事業部、メディカル事業部、RFID事業部、そして機能製品事業部があり、それぞれの分野でさまざまな粘着製品をご提供しています。

順にご説明しますと、まず原紙事業部では、シールやラベルの原材料となる、紙をベースにした粘着原紙を、主に印刷業界向けにご提供しています。メディカル事業部では文字通り医療分野の粘着製品、わかりやすいものではカット絆や粘着包帯といった製品を作っています。熱さましに使う冷却シートやフェイスケア用の目もとパックやフェイスパックシートなども人気の商品です。

 また、RFID事業部は新たな事業部門で、RFID技術を応用した製品の開発を行っています。RFIDというのはICタグと言えばわかりやすいかもしれませんが、非接触の読取りチップのことだと思ってください。次世代のバーコードとして、今後どんどんRFIDに切り替っていくだろうと言われていますが、すでに身近なものではJRの「Suica」や「ikoca」などとして使われています。これらのカードの中には小さなICチップが埋め込まれていて、改札機にかざすだけで読取りができるようになっています。また、銀行のキャッシュカードも今後RFIDに変わっていくのは必至です。この技術を生かせば、たとえばさまざまな商品を混載した段ボールケースでも、箱を開けずに内容がわかるといったシステムができるわけで、物流業界を大きく変える可能性を秘めています。また、先日の新聞には、子どもにICタグを持たせ、町のいたるところに読取り機を配置して、子どもがどこを通ってどこにいるかを警察や学校、家庭で把握し、子どもの安全を守るしくみづくりを行うという記事が載っていましたが、そうした取り組みも全国的に広がっていくと思われます。当社の社員は全員ICチップとアンテナの入ったIDカードを持っていまして、工場入口のゲートの開閉キーとして使える他、入退室時間などさまざまなデータが、社内のパソコンで管理できるようになっています。今後さまざまな用途が広がる可能性を持つ最先端の分野です。

●粘着荷札から始まった事業が、最先端の分野に発展していくのですね。

川崎:そうですね。もうひとつの事業分野である機能製品事業部もそうです。ここでは主にフィルム素材を使った工業用粘着加工製品の開発、製造を行っています。工業用とはおもに光学系用途で、液晶やプラズマなどの薄型ディスプレイの製造工程で使用される製品です。これもすべて粘着加工技術がベースになっています。

タック化成株式会社 機能製品事業部 
加工部 部長 藤井 靖弘氏

●粘着というのは難しい技術なんでしょうか。

川崎:我々の技術力の優位性は、幅広い用途に応じて、あらゆる素材にさまざまな粘着材をコーティングする技術です。特殊な素材に対して、特殊な粘着材や液材をコーティングする多様な技術があります。最近は、ミクロン単位、さらにはナノ単位の塗布精度が要求されていますが、そうしたニーズにも応えて非常に高い品質の製品を提供できる数少ない企業であると思っています。

●今回設置されたクリーンブースも、そうした高品質な製品づくりのためなのですね。

川崎:そうですね。紙の分野でも非常に高い品質が要求されていますが、特に、光学系用途のフィルムに関しては、ミクロン単位の異物まで排除する必要があります。クリーン度の悪い部屋でいいものを作ろうと思っても土台無理ですので、やはり工場のクリーン度を徹底して上げていくしかありません。今回設置したクリーンブースもそのために不可欠な設備のひとつです。実は、部屋自体がすでにクリーンルームになっていまして、その中に、さらにクリーン度を高める目的でクリーンブースを設置しました。

●相当高いレベルのクリーン度が求められるのですね。

川崎:クリーンブース内はクラス100以下のレベルです。つまり0・5ミクロンの浮遊物が、1立方メートルの中に100以下という状態です。これはもう半導体製造レベルのクリーン度ですね。
この山本工場は今年4月に操業したばかりの新しい工場ですが、ここではAGV(無人搬送車)と自動倉庫によるフリーオートメーションシステムを組んでいます。これはパソコンの端末で必要な品物を引き当てれば、自動倉庫から搬出され、AGVに乗って、自動で運ばれてくるというシステムです。人が入るとクリーン度は一気に落ちてしまうので、できる限り人を介さない製造環境づくりを進めているわけです。

●できあがったクリーンブースの評価についてはいかがですか。

藤井:毎日測定していますが、当初の設定よりいい数値が出ていますね。

川崎:非常にクリーン度の高いブースに仕上げていただいたので、安心しています。



●粘着業界の中でも三本の指に入るトップメーカーと伺っていますが、御社の強みはどういったところにあるのでしょうか。

タック化成株式会社 社是
「 職場に全力 家庭に幸福 地域に貢献
 この三益一如をめざして最善をつくそう 」
の文字が刻まれている。

川崎:ひとつは今お話した山本工場ですが、国内では最先端の設備と自負していまして、より高い品質の製品をご提供できる点が大きな競争力になると思います。
もうひとつは、タックグループには加工品事業部という部門がありまして、粘着荷札をはじめとするさまざまな粘着製品を、印刷・加工から末端のユーザー様にお届けするところまで、一環して自社で行うことができるという点です。
我々の業界は、材料をメーカーから購入し、そこにコーティングを施し、主に印刷会社に提供するための原紙を作る、いわゆる中間製品の製造を担うという位置付けの企業が非常に多いのです。
当社の製品も大部分が中間製品なのですが、それだけではなく、最終製品まで仕上げることができるのは、他社にはない大きな強みであると思っています。この加工品事業によって、それまでは印刷会社とのつき合いだけに留まっていたものが、文具メーカーや弱電メーカーなど、直接取引ができる範囲が広がったことは、非常に大きなメリットだと思います。

●四国が拠点となると、人材を確保するのも難しいのではないかと思われますが、御社には全国から学生や技術者が集まっていると伺っています。そうした人たちを惹き付けるような魅力はどういうところにあると思われますか。

川崎:これは創業者の思いでもありますが、我々は開発型創造企業を自認していますので、ものづくり、研究開発を志す人にとっては魅力ある企業だと思います。中でも機能製品事業部は、未知の分野に次々と挑戦していきますので、ゼロからのスタートなんです。先ほどお話した液晶やプラズマについても、すでに次世代のディスプレイの開発が進んでいると言います。つまり我々も設備や技術で満足していられないということです。新しいニーズに対応するための技術にもいち早く挑戦していく必要がある。そういう意味でも、全員が既成の概念を取りはらって、白紙の状態からひとつのものをつくりあげていこうとしているので、若い人にとっては非常に面白いだろうと思います。

●今回の設備をアメフレックにご発注いただいた経緯を教えてください。

藤井:豊中工場にクリーンブースを設置する際に、最初は別の業者さんと話を進めていたんですが、当社のニーズに合わない部分がありまして、もっとクリーン度の高いブースができるメーカーを探した結果、アメフレックさんと出会ったというのがおつきあいの始まりです。豊中である程度の実績をおさめてくれましたので、今回も継続してお願いしたというわけです。

●今後アメフレックに期待されることは。

藤井:担当営業マンの対応は迅速ですし、いろいろやってくれているので、おおむね満足しています。我々はこの業界でも最先端のことに挑戦していますので、今後、アメフレックさんのクリーン設備の実績から、当社がまだ手掛けていない部分の情報提供や、当社にメリットがありそうな設備などの提案を、どんどんしていただきたいと思っています。


  右:タック化成株式会社 機能製品事業部 藤井氏
中央:タック化成株式会社 機能製品事業部 川崎氏
  左:(株)アメフレック 高松営業所 吉村 松志


会社概要
社名
タック化成株式会社
所在地
本社:〒799-0197 愛媛県四国中央市川之町長須222-2

山本工場:
〒768-0104 香川県三豊郡山本町大字神田字山才乙288-25
代表者:
代表取締役 石津 隆徳
設立:
設立:1967年9月3日
資本金:
1億3,000万円
従業員数:
610名
売上高:
202億円(2004年9月期)

 

 

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Index Vol.66
■ TOP INTERVIEW
  (株)アメフレック 土山社長

■ ALLOW ME TO SAY
  「本当に強い大学

■ TRADERS WATCHING
  株式会社椿本チエイン 様

■ NEXT STAGE
  タック化成株式会社 様
■ Special topic(1)
  福井県民生活協同組合 様
■ Special topic(2)
  生活協同組合 コープかがわ様
■ イベントリポート
  MINATO USEFUL
      SEMINAR 2005
  港産業株式会社 様
■ Special topic(3)
  アソー株式会社様

■ 最新技術紹介
  「第8回AFC環境セミナー
  「大阪市工業会連合会
    
創立50周年記念式典

■ NEWS
  次世代空調システム研究
   (第2回見学会リポート)

 



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  エコロプレス2006年1月号