
株式会社椿本チエイン マテハン事業部
冷凍環境下で2次元バーコードを使用したマイクロチューブの自動保管を実現。創薬の研究開発を強力にバックアップする「つばきラボストッカ®」
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コンパクトな中に創薬研究開発の立場に
立ったさまざまな機能が満載の
「つばきラボストッカ」 |
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医薬品産業の使命は、薬の開発を通して人々の健康や生活に貢献すること。常に革新的な新薬を開発し、疾病に苦しむ患者や医療の現場に提供することが求められています。
しかし、一つの新薬が開発されるまでには、10年以上に及ぶ長大な期間と莫大なコストがかかると言われています。
より効率的でスピーディな創薬をめざして、HTS(ハイスループットスクリーニング)によるプロセスの自動化などの手法が開発されていますが、そうした手法に不可欠なのが「つばきラボストッカ®」の化合物ハンドリング技術です。
開発者にお話を伺いました。
●事業内容を教えてください。
荻原:現在、単独ではチェーン事業部、自動車部品事業部、マテハン事業部の3つの事業部があります。以前はもうひとつ精機事業部がありましたが、株式会社ツバキエマソンという子会社として独立しています。
自動車部品事業部では、自動車エンジン用タイミングチェーンという、非常にシェアの高い商品を中心に、自動車エンジンのドライブ回りの商品を作っています。チェーン事業部はその名前の通り、動力伝動用のチェーンです。コンベヤチェーンやローラーチェーン、あるいはエスカレータのステップチェーンや船舶の舶用チェーンなど、さまざまな産業用のチェーンを提供しています。マテハン事業部のマテハンとは、マテリアルハンドリングという意味ですが、物流システムや搬送システム、あるいは保管システムといった、あらゆるモノの搬送と保管、仕分けを行うためのシステムを提供しています。
●あらゆるモノとは。
荻原:大きなものでは自動車をまるごと運ぶ塗装ラインや、新聞業界向けに1・5トンもの新聞の巻取紙を搬送する給紙システムなどがありますし、小さなものでは今回お話をする創薬業界向けの「つばきラボストッカ」のように、マイクロチューブと言われる非常に小さな容器の取扱いも行います。自動車業界から物流業界、新聞業界、食品業界と、幅広い業界のユーザー様に向けて、さまざまなサイズや形状のモノの、搬送、保管、仕分けのシステムをご提案していますが、その中でも創薬、薬品業界向けの事業は、比較的新しい取り組みと言えます。
●創薬、薬品業界に展開され、ラボストッカの開発に取り組まれた経緯は。
荻原:我々マテハン事業部の製品のひとつに「パック-U-ベヤ」という水平、垂直自動回転棚がありまして、古くから薬品メーカー様、医薬品卸業様にも単品的に納入していたのですが、その後、この「パック-U-ベヤ」に自動移載機、搬送コンベア、ピッキングロボットなどを組み合わせ、大量のサンプルを保管し、研究者の手元に必要なものが、必要な時に必要なだけ届くようなシステムをご提供するようになりました。これは「つばき化合物ライブラリー保管システム」と言いまして、かなり大きな設備なのですが、ある製薬メーカー様から、研究所の中や限られたスペースに設置できる、小型のシステムが作れないかというご相談を受けたのが、ラボストッカ開発のきっかけです。
●「つばきラボストッカ®」とは。
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保管機構、情報技術、
ハンドリング機構、 空調技術が融合
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松本:一言でいうと創薬用小型冷凍保管庫です。
今、創薬の手法の中で、HTSによるプロセスの自動化が進んでいます。そのHTSに必要な膨大な数の化合物を、品質維持のため冷凍保管し、その中の指定したひとつを自動でスピーディーに取り出したり、入庫したりすることができる、ハンドリング機能付きの保管庫…それがラボストッカで、マイクロチューブピッキングタイプとプレートタイプがあります。
●膨大な数の化合物とは、どれぐらいの量を言うのですか?
松本:容量はお客様のご要望によりますが、最もコンパクトな仕様でも十数万本以上のチューブの保管が可能です。ひとつのラックの中に、長さ約40ミリメートル、直径8・5ミリメートルのマイクロチューブが96本入っていて、それが1200ラック収納できます。
●創薬用システムならではの特徴を教えてください。
松本:保管物は非常に貴重なものです。ハンドリング、ピッキングの際の失敗は許されません。ラボストッカは、小さなマイクロチューブの正確な自動ピッキングを実現したことが大きな特徴です。
また、マイクロチューブにサンプルの内容物情報を2次元バーコードでひも付け管理し、スキャナによるラック単位の読取でピッキングの高速度化を実現し、非常にスピーディーな入出庫を可能にしています。さらに収納量に対して省スペースで研究室内などにも設置が可能なことなど、さまざまな特徴がありますが、大きなポイントは、プラス15℃からマイナス20℃までの温調を可能にしたことです。ラボストッカ開発のスタートは3年ほど前のことになりますが、当時国内ではこのような小型冷凍保管庫はなく、我々がアメフレックさんとともに開発したラボストッカが、日本で初めての製品です。
●マイナス20℃というところに、技術的なハードルがあったのでしょうか。
松本:単にマイナス20℃で保管し、ハンドリングするのであれば、我々が従来から持っている技術で実績もあるのですが、ラボストッカの場合、マイナス20℃で保管し、なおかつその環境で非常に小さなワークを精密な精度でハンドリングする技術が求められました。回転棚にも特殊なリニアモーターを使うなど、低温で機械を動かすにはいろいろと工夫が必要なのですが、そもそもマイナス20℃の環境下ではピッキングロボットを使うことができません。そこで、保管のための部屋とは別に、ピッキングを行うためのプラス4℃の部屋を設けて、必要なものを取り出したあと、即座にマイナス20℃の部屋に戻すというシステムを作っていきました。実は、この温度環境が大きく違う2つの部屋を設けることが非常に困難でした。
●どんな問題があったのでしょう?
松本:保管物の性質上、絶対に霜や結露を発生させてはいけないという大命題がありました。霜がついてもいいのであれば誰にでもできると思いますが、マイナス20℃と4℃という温度差の部屋を移動させながら、霜や結露をつけずに液体の入った容器を扱うということが非常に難しいわけです。それを実現させたのがラボストッカなんですが、椿本チエインとアメフレックさんとでさまざまな協議や試行錯誤をくり返し、改善を重ねてようやくできあがったもので、まさに我々みんなの努力のたまものとも言えるシステムなんです。
●霜や結露をつけないことがそれほど困難なのでしょうか。
松本:実は私もそう思っていました。試作機を作り始める時にアメフレックさんから、これでは霜がたくさん出ますよ、と言われたんです。でも、それなら空調設備屋として、霜が出ないようにしてくれればいいじゃないか、というぐらいに思っていたんです。そういうところからのスタートですから、アメフレックさんとのコラボレーションも最初からうまくいったわけではなく、空調屋さんと我々機械屋の文化の違いをお互いに理解しあうのに少し時間がかかりました。
●文化の違いとは。
松本:ひとつは今言った霜に対する認識の違い。どこの家にも冷蔵庫があって、コンセントを差せばちゃんと冷えるわけですから、最初は冷やすということがなぜそんなに難しいのか理解できなかった。しかし実際には、霜は私が考えていたよりやっかいなものでした。大量の霜を発生させてしまって、ラボストッカの中に入って延々と霜取りをしたこともありましたが、そういうことを実体験してはじめて、世の中に空調設備屋さんが存在する理由がわかったという感じですね。
五十嵐:一方我々は霜との戦い、空気に含まれる水分との戦いをずっとやってきているわけですから、まずそこに大きな隔たりがあったわけです。さらに、寸法や精度に対する感覚の違いも痛感しました。
松本:我々の感覚はコンマ何ミリメートルという単位、アメフレックさんの場合、冷凍室などは建築物に近いですから、10ミリメートル、20ミリメートル単位の文化なんですね。この違いはモノづくりを進める上でけっこう大きな壁になりました。しかし、そんな中で苦労し経験を積んで、こうした文化の違いをお互いが理解しはじめたと同時に、ラボストッカも進化しはじめたんです。
五十嵐:最近では、共通言語で話せるようになりましたね。歯に衣きせずに、お互いに思ったことを言い合えるので、進化もどんどんスピードアップしています。
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右:(株)椿本チエイン
企画管理部 参事 荻原氏
中央右:(株)椿本チエイン
創薬・機器グループ 副参事 松本氏
中央左:(株)アメフレック 五十嵐
左:(株)アメフレック 浜野
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●パートナーとしてアメフレックを選定していただいた理由。
松本:我々がやりたいこと、望んでいることを真剣に捉えて、あらゆる課題に対して一生懸命検討をしてくれますし、技術的なレベルも非常に高いと判断して、アメフレックさんとの取り組みを決めました。
私は、ものを作るためには必ず思想が必要だと思っています。ラボストッカに求められたのは、液体の入った容器を、霜をつけずに保管してピッキングするという、実に単純なことですが、そこには我々の「ものづくりの思想」があって、それを具現化するためのさまざまな課題がありました。
最終的には『霜をつけない』ことをとことん追求するために、空気の中に潜む水との戦いに、どろくさいとも言える地道な努力を重ねたわけですが、結果として、それがノウハウとなり、独自の技術となり、商品としての競争力を持つことになったわけです。そのためにアメフレックさんとの共同作業が不可欠だったと思っています。
●「つばきラボストッカ®」の業界での位置付けとは。
荻原:椿本チエイン自体が、もともと自動車や新聞、物流という業界には強いけれども、製薬の業界に強くなかったのは確かですし、出発点では営業的にも苦労しましたね。毎年開かれている国際バイオ展には初期のころから出展していますが、当時はこの業界で椿本チエインという会社は全然知られていませんでした。それが4年目となる今年は展示会における認知度も実感できるようになり、製薬メーカーから研究所、大学様と、多数の実績をおさめるに至っています。
松本:我々としては国内的にはナンバーワンになりつつあると自負しています。今後は、創薬化合物分野のみならず、ゲノム関連分野の保管・管理においてもいろいろな製品開発を行い、販売拡大を図っていきたい。そして、いずれは世界市場に挑戦したいという夢を持っています。
| 会社概要 |
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社名:
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株式会社 椿本チエイン |
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所在地:
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本社:〒530-0018 大阪市北区小松原町2-4
マテハン事業部:〒357-8510 埼玉県飯能市新光20 |
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代表者:
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代表取締役会長 福永 喬
代表取締役社長 美本 龍彦 |
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設立:
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1941年1月 |
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資本金:
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170億7,600万円(2005年3月31日現在) |
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従業員数:
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連結 4,765名
単体 1,722名 (2005年3月31日現在) |

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