Home > AFCトピックス 2018/03/14号
2018.03.14 更新
目次
1. もうすぐ丸3年! フロン排出抑制法
2. フロンの歩みと今後の動向
3. 転換期にあるフロンの現状
4. フロン漏えいの防止! ユーザーの義務をサポート
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今、フロンが “変化の時期” にあることをご存知でしょうか?
フロン抑制法で義務づけられている「適正管理の報告」の準備として、
フロン使用機器や設備 (第一種特定製品) における今年度の「算定漏えい量」をまとめる時期が近づいてきました。
早いもので、フロンの「ライフサイクル全体」 * にわたる対策として施行されたフロン排出抑制法も
すでに施行から丸3年が経とうとしています。
(*下の図をご参考ください。)
冷蔵庫やエアコンなどの空調機器の冷媒として使われてきたフロン。
私たちの生活を快適で便利にしてきたフロンが今、“変化の時期” つまり “転換期” にあります。
今回は、地球環境への影響から進むフロン類の規制により、
転換してきたフロンの歩みと現状、そしてこれからの動向をご紹介します。
そして私たちの義務となったフロン漏えい管理をサポートする製品もご紹介します。
フロン排出抑制法におけるフロン類のライフサイクル
[ 求められる生産から廃棄までの包括的な対策 ]
フロンは、国際協力が必要な地球環境問題の対策としてできた規制 に対応して、“転換” という変化を歩んできました。
オゾン層保護のための国際的な対策の枠組みを定めたウィーン条約に基づき、
オゾン層を破壊する原因物質が指定され、規制が始まりました。
〔モントリオール議定書 1987年: オゾン層破壊物質の生産・消費量規制〕
1987年 特定フロン CFCが規制対象 (CFC: 1996年全廃)
転換 80年代後半~90年代前半 フロンはCFCからHCFCへと 最初の転換を迎えました。
1992年 特定フロン HCFCも規制対象となる (HCFC: 2020年全廃予定)
転換 90年代後半~ 特定フロンHCFC から 代替フロン HFC への転換が進みました。
オゾン層保護対策として特定フロン CFC・HCFC の使用比率を下げることにめどがつき始めたころ、
地球温暖化の問題が浮上します。
フロンガスは、温室効果がCO2の数百~数千倍あり、
1990年代後半、温室効果が高いフロンへの対策がはじまりました。
〔京都議定書 1997年: 温室効果ガスの排出削減規制〕
2001年 フロン回収破壊法により、大気への放出を抑制
その後、フロン使用機器を使っている期間におこる漏えい量が非常に多いことがわかり、
2015年フロン排出抑制法で、フロンの生産から使用・廃棄にわたる包括的な対策が
現在進行形で進められています。
(現在) 転換 排出規制と並行して、温室効果の低いフロンへの転換 (低GWP化)と フロンを使わない自然冷媒への転換 (ノンフロン化) が進んでいます。
今後の動向として、2016年10月 モントリオール議定書 キガリ改正の合意により、
代替フロンである HFC の生産および消費量の段階的削減が義務化 され、
来年2019年1月のキガリ改正発効までには、削減スケジュールが担保できる法的な仕組みができるものと思われます。
HFC削減スケジュール
基準値(CO2換算) : 各年のHFC量の平均 + HCFCの基準値の15%
削減スケジュール | 削減量 |
---|---|
2019年 | ▲ 10% |
2024年 | ▲ 40% |
2029年 | ▲ 70% |
2034年 | ▲ 80% |
2036年 | ▲ 85% |
地球温暖化係数 GWP とは (GWP:Global Warming Potential)
地球温暖化係数は、二酸化炭素を基準にして、 ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるか表した数字のこと。 数字が大きいほど、温室効果が高く、地球温暖化への影響が大きい。
オゾン層にも影響せず、温室効果が低い(低GWP化)という両方の条件をみたす
フロンやその他の冷媒への “ 変化の時期 ” にある現在、
国内で大量に使われているフロン(市中ストック)は、GWP値が100を越えています。
(HFC ⇒ 140~11700)
そのような中で、機器メーカー各社があげている次期冷媒への候補をあげておきます。
新たな冷媒候補にも一長一短があり、機器メーカーとも開発にチカラが注がれています。
型式 | 冷媒の種類 | GWP |
---|---|---|
HFO混合冷媒 | R448A R449A R452A R463A (XP41) |
1387 1397 2140 1494 |
HFC冷媒 | R407H |
1490 |
HFO冷媒 | R1234yf |
4 |
自然冷媒 | CO2冷媒 |
1 |
※ GWP: 値が小さいほど、温室効果が低い。
※ HFO混合冷媒とは: おもに HFO に HFC などを混合させたフロンの総称。
規制対応により進められる具体的なフロンガス転換の流れをご紹介します。
規制に対応した新しい冷媒(フロン類)を生産メーカーが開発するところから始まります。
製品の製造メーカーにて新冷媒に対応する機器を開発。そして市場に製品が供給されます。
(開発はコンプレッサといわれる、室外機にあるフロンガスを圧縮する部品がメインになります。)
ユーザーが製品導入することで、設備のフロンが転換となります。
フロンが新しく転換するときに、性能・安全性・環境性・経済性の4つをクリアにするものを
冷媒生産メーカー・製品製造メーカーで、開発を行います。 ただ、多くの冷媒がもつ
「環境影響優先させると可燃性リスク高くなり、燃焼性を低くすると環境負荷が大きくなる」
というような 相反する特性による課題もあり、一朝一夕に進むものではありません。
・性 能 これまでと同等以上であること
・安全性 可燃性リスクや毒性が低いこと
・環境性 オゾン破壊係数ゼロ+温暖化係数がより低いこと
・経済性 適正なコストであること
そうして開発された新冷媒対応製品も、従来の機器が正常に稼働している間は
わざわざ更新するユーザー様も少ないでしょう。
フロンの転換には、段階的な一定の期間が必要であり、まさに今は “転換”の最中といえます。
身近な GWP(地球温暖化係数)
GWP値を低減する目標が設定されている対象製品には、
どのくらい水準がクリアしているものかわかるフロンラベルが表示されています。製品を購入する消費者が選ぶときにわかりやすい規格表示
【1】 環境影響度:アルファベット表示。目標水準をAランク。
【2】 地球温暖化係数が小さいほど、環境にやさしい。
フロンの転換期にある今、懸念されていることが市中ストックされているフロンの排出が2020年には急増するとされています。
フロン使用機器のユーザー(管理者)が、「定期的に点検し、適正に管理すること」 が重要となってまいります。
〔フロン排出抑制法 第一種特定製品の管理者における役割〕
最後に
フロン使用機器や設備 (第一種特定製品) における今年度の「漏えい量」をまとめ、
漏えいのボリュームを数値として把握しているこの時期、
フロン漏えいの管理や対策を見直したり、設備更新のご検討をおすすめします。
アメフレックでは、国内機器メーカーの製品を多数取り扱っております。
設備の更新や新規導入による機器の選定は、どうぞお任せください!
またフロン漏えい予防として ピンホール用リークシール剤「スーパーシール」 や
フロン漏えい点検の管理業務のご負担のサポートなど、ぜひお問い合わせください。
スーパーシールの詳細はこちらをご覧ください ⇒ スーパーシール 【 製品ページ 】
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